連載コラム
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コラムサラリーウーマン金太郎 ── 激闘本番30代篇
Vol.28 「団体接待3本勝負」
(4.Apr.2001)
営業の接待は、1対1というのは余りなくて、私と上司対2〜5名なんてのが一番多いパターンだった。カラオケ接待も極めた私には結構、楽勝。しかし、私がやっているマルチメディア事業部のクライアントというのは、パイロットの教官方がいる教育訓練所、総勢200名くらい。その中でも50名くらいの教官方に絶えずお世話になっており、また管理部門の方々も30名くらい、現場の制作スタッフが毎日世話になっている。私の上にいる部長だの役員だのは、所詮出向の身であり頭を下げたり営業するという意味が全くわかってない。だから私はこの50名プラス30名の方々に対しても絶えず気配りしながら、営業フォローをしていかないと、年間開発を受注している制作の現場にも支障が出るのだ。でも80名を4人のチームに分けて、お食事誘ってたら20組。それを毎日こなすなどというのは非効率だし不可能。そこで考えたのが団体接待だ。女性は私一人で盛り上げる接待術を!(現場の女性スタッフは接待の席が嫌いだった)

その1 花見の宴
 この桜の時期はちょうど期が変わる4月なので、ビジネスの営業的タイミングとしても最高。五反田にまだ事務所があった時は、洗足池が私の事業部の定番の花見の場所。新卒のクリエイターやプログラマーを15時には場所取りにいかせ、18時にはシートとダンボール(シートの下に引くと底冷えしない)、ビール、日本酒、近くのスーパーに頼んでおいたおつまみパックやピザをピックアップして、にわか宴会場を作る。クライアントは皆様ご招待というこのお花見宴会は、50代以上のオジサマ方にはえらく人気。桜が舞う木の下で、簡単なゲームなどオて盛り上がり、全員がほろ酔い気分。アウトドアの『飲みニケーション』は意外なほどに、人間の距離を近づける。しかし、日本酒のコップ酒一気飲みをさせられて、ある一瞬から記憶をなくした経験は忘れられない。なんと通常の営業ストレスが大爆発して、クライアントの名前を呼びつけにして大トラになったらしい。しかし、その姿を見たクライアント達は、私が頑張っていたんだと妙に感動し、その後は優しくなったのは、怪我の功名。

その2 納涼ビヤガーデン
 羽田東急ホテルのビヤガーデンは8月、9月に毎年開催されている。そこを、ほぼ貸し切り状態で夏の納涼祭を毎年計画。ジンギスカンはオジサマ連中には不評だが、若き担当者の方々には好評で、浴びるようにビールを飲みながら、みな大はしゃぎ。ホテルのビヤガーデンはトイレの心配もないしね(笑)。私とスタッフは10卓あまりのテーブルを椅子取りゲームのように周りながら適当にお相手する。これも簡単。しかし気づくとハワイアンダンスが始まった舞台で踊るクライアントのVIPが数名。見たくないものを見ることもあるの。それと、芝生なんで蚊の攻撃にあうのが閉口。だからスキンガードは必携品。花見と同様、屋外は開放感があるから、気分もオープンになって商談もスムーズ。

その3 貸し切り屋形船
 これは夏でも冬でも季節を問わない。納涼船で夏から秋口、忘年会でも、凝りもせず数回乗った記憶が……。しかし、はっきり言ってお勧めしません! 実はすごく大変なのだ。貸し切り屋形船、羽田から出て品川近くに戻ってくるのを利用すると、所要時間は2時間〜2.5時間。この時間が曲者で、一度なんか3時間を越えてしまったことも。船の中は50名くらいは余裕の大広間。2列向かい合うように席を作って、正面にはカラオケ舞台がスタンバイ。料理は刺身がちょっと出た後は、お座敷天婦羅のように天婦羅が次ぎから次ぎへと、船頭さんがどんどん揚げて持ってくる。ビールや日本酒も飲み放題で、一人1万円だったかな? 接待なので、クライアント参加者からは半額徴収でやるのだけれど、結構人気があって毎回大盛況。しかし、動くお座敷宴会場は海に出たら最後、陸地に戻るまで逃げられない。私の部下の女性でこの船にスタッフとして乗り込んでくれたのは2名だけだった。そうだよね〜。船はゆれるし、オジサマ達はお座敷で止めどもなく酔っ払って大騒ぎ、石原裕次郎&演歌の大カラオケ大会が延々3時間。無礼講で、クライアントとすごく仲良くなれることは確かではあるが……。2度とやるまいと思いながらも、リクエストがあって、その後2回もやってスタッフ泣かせだけれど、営業効果としては、まあ成功ってこと。

 団体接待技は一種のイベント。接待などどうして必要なのかわからなかった私も、実際にやってみていろいろ学んだ。ビジネスの世界で、特に日本企業の中で物事を最短でスムーズに動かそうとする時、デジタルな思考だけでは駄目で、アナログな考え方、つまり人と人との信頼関係を育むスキンシップが重要なポイントになってしまうことをね!

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